忘却のあちら

katakanize2009-07-05

また明日、つって2ヶ月も空けてしまったので、書くべき事柄などとっくに忘れちまってるのであった。なんで、最近の出来事をつらつらと普通に書いときます。


かげわたり・スズキ氏夫妻の新居に、バンドメンバー一同、および関係者数名でお呼ばれした。

奥様であるところのNさんの手料理が大層美味くて、腹は膨れ、酔いも進み、会話はイキオイ錯綜し。どういう流れだったのか、夫妻所有のCDJでもってみんなでDJ対決という運びに。自分はジュディ・ガーランドファイナルファンタジー〜クイーンというニッチなセレクションで臨んでみたものの、ネタ的にもスキル的にも大スベリの様相を呈し、独りヤケ酒を呷る始末であった。本国でイベント慣れしていると見えるミヒャエルさんは、さすがに所作のひとつひとつが様になっておりました。人には向き不向きってものがある。あって良いものなのである。


gggマックス・フーバー展を観に行った。

文字ってこんなにも雄弁で強いものなんだなあ、と改めて思わされた感じ。すごくドラマチックなタイポグラフィの数々。配色や図案もとにかく洒脱で。どこかユーモラスでもあり。スタイリッシュなんだけど、制作者の体温も伝わってくる感じというか。どれもこれもイイ感じのテンションで生み出されてる印象。本当に格好良いものって、したり顔や訳知り顔で創ってなんかいやしないんだと思う。




無印良品のアロマディフューザーっちゅう代物を購入した。

なんか超音波振動の微粒子ミストがどうだとか。詳しい仕組みはわからんですが、火の気の心配なく香りを楽しめるのは良い感じ。LEDライト内蔵で間接照明代わりにもなるとかで、比較的安価な割にコストパフォーマンスがよろしい。素っ気ない外観も、それはそれで良し。無印純正品のエッセンシャルオイルだといまいち香りが弱く、100均で売ってるようなオイルくらい、匂い強めのものでもいい感じ。


惑星ソラリス」完全試聴に何度目かの挑戦。

30分で挫折した。残り2時間強、酒飲んでダベりながらなんとなく流しっぱなし。ほとんど環境映像のような扱い。首都高のところだけはしっかり観といた。制覇できるのはいつの日か。胆力が足らぬのだ不心得者めが。

連休の残滓、その他二・三のできごと(1)

katakanize2009-05-11

彼女の韓国旅行土産のマッコリを入手したので、かげわたり周辺のメンツで城北中央公園でささやかな酒盛りなどし、ふわふわした気分で家路について、ネットブラウズするなり、清志郎のあのニュースの見出しを目にする。そんな何とも云えない気分で始まった連休。


3日は日比谷野音で『Springfields '09』を観覧。

SAKEROCKとか、Port of Notesとか、Little Creaturesとか、事実上、細野晴臣を軸として集まったような人選のイベント。なんだけど、EGO-WRAPPIN'だけがどうにも浮いていた印象。なんかね、ギターの男性の態度も良くなかったっす。あまり盛り上がってくれない客席の空気に明らかに苛立っていたというか。筋違いってものよね。サポート?のドラムはえらい格好良かったんだけど。どうにもあのコッテリ感と、ファンと馴れ合ってる感じの雰囲気に馴染めず。

SAKEROCKは思ったよりも演奏短め。マリンバの音が小気味良く、カズーの音が可愛らしかった。アマチュアっぽさが抜けきらないところが魅力、と感じる人も多いのだろうなあと思ったり。MCとか完全に同級生同士のダベリだし。ライブの組み立て方含めて、払拭しきれない/しきらない素人臭が良いのだと思う。

Little Creaturesは、音はストイックなのにパフォーマンスはちょいちょい悪ふざけ。真顔でくだらないMCとか。しかしまあ渋い。さまざまなディテールに潜むハンサム感。ニヤケ顔のミニマリズム

Port of Notesは、夕暮れ時っていうタイミングの力もあって、なんか凄くダイナミズムを感じた時間だった。わりと斜に構えた面々が居並ぶ中で、比較的ストレートに「うた」を伝えようとしている、っていう意味ではEGO-WRAPPIN'と同じようなスタンスだったと思うんだけど、両者が繰り出す音から受け取れるものは明らかに異なる。その意味について思いを巡らせたり。

大トリは細野晴臣。登場に沸く客を牽制するように、ってんでもないのだろうけど、前日の、清志郎のことについて触れ、「僕だけは、今、お通夜みたいな気分です」とポツリ。俄にしんみりした雰囲気に包まれる客席。隣席のお客さんはすすり泣いていた。しめやかにというかゆったりと演奏は進み、つつがなく終わり、アンコールは清志郎への餞か、「しあわせハッピー」をイベント参加メンバー総出で大合唱。

楽しんだっていうか、なんか色々と考えさせられたイベントでした。


なんか長くなりそうなんでまた明日。

去る土日の軌跡

katakanize2009-04-29

25日、青山のスパイラルマーケットへ。前々からちょっと気になっていた、浅草の『Syuro』という雑貨屋さんの展示販売をやっているとかで、それを見にフラリと。どれもこれも変にケレン味がなく洒脱な感じで、使い勝手も良さそうで惹かれるのだけれど、若干割高の感あり。ガラスペンとか最後まで気になってたんだけど、使用頻度考えると必要ないかと断念。

それとは別に、通常販売のコーナーで可愛らしいノートを見つけて購入。綴じ紐付きのノートで、紐を引っ掛けるハトメの部分が馬の引く荷台の車輪になっている、というような意匠。機能と見映えが同格で並立してる感じが素敵。

職場で使うこまごまとしたものの買い物しようと、外苑前の無印良品へ。名刺入れやらルームシューズやら。宮嶋君への誕生日プレゼント贈呈が控えていたことを思い出し、それ関連のグッズもアレコレと。雨の日の買い物は、愉しくもあれど、荷物の厄介さ加減が倍加される感じで幾許かのフラストレーション。


26日、事務所用の物件の内見のために、家常さん、翔三君、T君らと西早稲田〜目白界隈へ。あの辺りって明治通りとか目白通りの、いわゆる幹線道路沿いの風景しか知らなかったのだけれど、路地裏を歩けばまた別の趣があって、枯れつつも矍鑠って感じで興味深い。土地の空気が仕事のモチベーションに直接的に影響するってものでもなかろうが、あの感じはかなりイイ。個人的には弩ストライク。

池袋に移動し、ミヒャエルと合流。バンドメンバー全員からの宮嶋君へのプレゼントを買うために、東池袋あたりをブラブラ。ミニ観葉植物と夏目漱石の短編集を購入。ついでに自分用に、漱石文鳥夢十夜』を買う。

スタジオで練習の合間に宮嶋君へ献上。概ね好感触で何より。肝心の練習はまだ膠着状態。あと少しで何か見えてきそうな予感はあるのだけれど。


6月に出るという、ASA-CHANG&巡礼の新作がものすごく気になる。スカパラ時代のASA-CHANGの曲で「ウーハンの女」ってのがあるのだけれど、そのセルフカバーが収録されるらしく、かつ歌詞付きのリアレンジで、なおかつ作詞担当がSAKEROCK星野源とのことで。買わぬ訳にはいかぬ。

ゆるやかな日日

katakanize2009-04-19

18日、帰省。

私鉄を乗り継いで小一時間。郊外のひっそりとした住宅地の一角に両親の住む家はある。25年暮らして来た官舎を引き払い、今月あたまに引っ越して来たばかりのその家は、リフォームしたばかりということもありなんだか他人の家のようで、若干よそゆきな感じの心境ながらも、真新しい調度品に囲まれてくつろぐ両親の姿は実に幸福そうで、自然と、自分もなにやら満たされた感じの心持ちになる。飼い猫は、新しい環境に適応しきれていないのか、若干緊張気味のようで、物陰に身を潜めてなかなかこちらの射程範囲内に接近してこない。撫で倒し愛で倒したかったのだが叶わず無念。とはいえそこそこ元気だったのでひと安心。

19日、かげわたり練習。の前に、キーボード担当のドイッチュ、ミヒャエルにプレゼント贈呈。graniphのシュールなクマ着ぐるみのTシャツと、ペアのビアーマグ、缶ビールの泡が綺麗に出るらしい陶器製の器具などなど。ひとつひとつ手に取っては、「アリガト〜」「カワイイ〜」やら云うのがなんとも微笑ましく。肝心の練習はちょい消化不良。5月のライブのことなど打ち合わせ、解散後、家常さんとカフェハシゴし、仕事の話など。ちょい大きめな仕事のコンペ。プレッシャーはあるけど、キワキワなところに身を置くようにしとかなければとも思う。引け腰になっとったらイカン。

ウィスット・ポンニミットの『ブランコ』3巻がいつの間にか出てたので買って帰る。メルヒェン&フィロソフィー&アイロニー

Let us take ourselves high.

katakanize2009-04-15

通勤の道がいつもの朝に比べてやけに人出が多いので、なんぞ事件か、と思いつつ会社にたどり着いてみれば、その背後からもうもうと立ちのぼる煤煙。たまげる。
一旦オフィスに顔を出し、しかるのちみんなで避難。火災現場からやや離れたあたりで様子見。2軒隣の郵便局の建物内から出火したらしい。はしご車が出動したりTVクルーが現れたり新聞記者に会社の窓から現場写真撮らせてくれと頼まれたり、と大騒ぎ。小一時間程で鎮火し、みなオフィスに戻り、10時頃にはいつも通りの作業風景。キナ臭い屋内で。

先週末から気がかりだった知人のある問題に関して、当の知人本人から連絡をもらう。解決した、とまで言い切れるか分からないけど、とりあえずは一旦落ち着いた感じ。諸々のことが、徐々にでも遠回りにでも、最終的に良い場所に収まってゆけば良いなと思う。

最近気になってしょっちゅう覗いてるデザイン事務所のサイトがある。柔らかな手触りを感じるサイトのデザインも好きなんだけど、ブランディングに関する考え方、デザインへの愛情と職業意識との折り合いの付け方、みたいなところで得心させられる点が多々ある。聞こえの良い言葉に逃げずに、丁寧な手つきでひとつひとつの事をやり遂げている。そんな印象を感じる。

手の届く範囲で、どれだけ誠実な仕事ができるか。今はそれを思い続け問い続けるターム。

ザッパク

katakanize2009-04-14

疲弊と消耗の向こう側に、かすかに見えてる薄明かりみたいなものをよすがにして、日々の営みの動機づけを繰り返してるんだろうなーと自覚した雨の帰り道。

故あって自宅の風呂が一時的に使用不可の状態のため、近所の銭湯に足を運ぶ。なんか随分久しぶりの銭湯。8年前、演劇始めたばかりの頃は、なんかしょっちゅう銭湯通ってた。下駄箱やら番台やら暖簾やら脱衣所やら、銭湯特有の「あの感じ」は、その頃の記憶と如実にリンクしている。重大な事も些末な事も。綺麗な思い出も忘れたいような事も。なんか、妙に細かいディテールまで思い起こせてしまったりする。面映いことも色々と。湯船に浸かって取り留めもないことをアレコレと物思う。月日は確実に経過していったけれど、自分はあの頃よりどれくらい遠くまで来れたのかねえ。

部屋に帰ってアサリのパスタ作って喰らう。遅めの晩飯。喰らいながら、不意に活版印刷がやりたいなーとか考える。最近、手を動かすってこと、手に限らずカラダを動かすってことが基本的に疎かになりがちだと思う。大げさにいうと、なんか自分の生活自体、身体性がどんどん希薄になっていってる感じがある。利便性に溺れていてはイカンのですよ。「必要不便」みたいなものがこの世には確かにある、って気がするんだな。たまには懐疑的になってみるべき。そこはそんなに手間を省く必要あったのかい?っていう。効率化と横着の見極めその判断基準を、明確に。

近頃茶の飲み過ぎのせいか、変に夜中に目が冴えちゃうんで、なんか無駄にいろんなこと考えちまう。

ラヴィ

katakanize2009-04-13

梅雨の時期くらいまで着てられる薄手のジャケットが欲しいなーと思って、無印あたりでいいもの無いかとアレコレ調べてたら、仏心を出した彼女が、KAPITALのリネンジャケットを僕にくれた。軽くて柔らかくて適度にヒネリがあってイイ感じ。ラペルのラインとか、袖口の切り替えとか、ボタンの並びの感じとか。素直にありがたい。

こう、モノをもらったタイミングで言うと、なんだか曲解されそうな感じもあるけど、最近つくづく、いろいろな人との関わりに救われてる部分が大きいなー、と思わされたり。放っといたらどんどん自堕落に落ちていくだろう自分を、なんだかんだ見捨てず発破掛けてくれる人たちがいるからこそ、どうにか社会にコミットできているのだろうな、と考えたりします。卑屈になってる訳じゃなく、純粋にありがたいことだなあ、と。自分くらいの歳になって、エモーショナルな部分で関わり合える知人の存在っていうのは、ほんとに貴重なものだなと思う。

憂きことも多い日々ですけど、トータルで見たら、自分はたぶん恵まれてるほうなんだと思います。受け取るばかりじゃいかんよね。還元還元。