あけてます

逆光ドラゴン

本年も、ヨロヨロシクシクお願い申し上げます。

ここのところの初詣は三年連続で雑司ヶ谷鬼子母神に詣でていたので、今年は趣向を変えて、て程のことでもないけども、所沢の山口観音に行ってまいりました。

境内に足を踏み入れるなり、謎の白馬がお出迎え。なんていうか、目の死にっぷりが只事ではない。己自身の心の深奥に潜む闇を見つめているかのようだ。つうか怖えよ。白馬が鎮座ましますお堂は厩の形になっていて、堂内には木彫りの像というかオブジェのようなものが安置されているのだけれど、これがまた輪をかけて怖い。

雲霞のごとく密集する手乗りサイズの馬、馬、馬。写真では伝わりにくいかもしれないけど、昼なお暗い堂内に黒光りするミニチュア馬の大群がほの見える様はなんとも言えず不気味でありました。新田義貞奉納の霊馬堂とのことだったが、なんか参拝客へのアプローチのしかた、間違ってはいまいか。

こちらは本堂脇の手摺に設えられた龍の飾り。赤塚漫画ライクなナイスフェイスがイカす。

布袋尊のお堂の、廂の裏側の彫刻。象と獅子。目に厳しい色遣いがなんともいえずたまらん。

これ以外にも、雛壇型に並んだ数百体もの水子地蔵とか、どの客層に配慮してのことか、本堂周囲のマニ車がプレイ(ン)グベルなどと名付けられていることとか、必要以上の高台の上に必要以上に高く聳える五重の塔とか、その脇の謎の石窟の照明が家庭用の壁スイッチみたいなもので全消灯できてしまう切なさとか、枚挙にいとまがないほどつくづくキッチュな山口観音。程よい場末感と空回り気味の営業努力が織りなす的外れのハーモニーが泣かせます。ゲテモノ喰いみたいな気持ちで行ってみると面白いと思う。

そういや願い事するのを忘れてきたような気がする。本末転倒。