アンチエイジングDNA

電信柱

ちょっと前からたまに覗いてるネタ系のニュースサイト(?)みたいなものがあって、そこに寄稿しているライターの中に「べつやくれい」というイラストレーターの方がいるのだけれど、最近、そのべつやくさんがあの別役さんの娘さんだと知って驚く。なにぶん珍しい名字ではあるから同じ辺りの出身なのかもとは思っていたけど、まさか親子とは思わなんだ。そういえば、あのミドルテンションでシニカルな雰囲気は確かに別役さんっぽい。面白いのは、べつやくさんの名前でGoogle検索すると、関連検索の項目に「べつやくれい 美人」「べつやくれい かわいい」などど出てくること。今まであまりそういう部分には注視してなかったけど、言われてみれば確かに美人。ていうか、実年齢に比べて容姿がかなり若い。このテの不老体質な感じの人を見ると、女の人としてどうこうというよりも、いち人間として羨ましく思ってしまう。その老けなさっぷりをちょっとでいいからお裾分けしてくれ、っていうような。

で、久しぶりに別役さんの戯曲を読んでみたりした。いつ読んでも、あの文脈の飛躍力のようなものには心服させられる。どういう回路を通したらああした会話や展開が生まれてくるのかさっぱりわからない。『黄色い日曜日』の冒頭とかもうほとんどデタラメなんだけど、単にナンセンスとして消化できるほど軽いものでは決してない。笑いと暴力とドラマとが渾然と、同じ地平に等価値で存在している世界。なによりも、40年あまりで100作超というほとんど量産ともいえるペースで作品を創り続けて、なおかつクオリティを低下させない思考力の強度がすごい。いたずらにポピュラリティの獲得にこだわる心性ではたどり着けない領域という感じがする。べつやくさんの不老体質もすごいが、別役さんの不老頭脳もすごい。恐るべき親子。