ようつべ逍遥

zoot suit

トーキング・ヘッズの記録映画『ストップ・メイキング・センス』の映像がいくつかYouTube上に転がっていたので、懐かしくなって、観る。

素舞台にラジカセ持参で登場して弾き語りで「Psycho Killer」を唄うオープニングから、段々と舞台装置・プレイヤーが増えていってステージが形になっていく構成とか、ミニマルな照明・映像の演出が醸すシャレた雰囲気も格好いいけど、この映画が説得力を持ち得るのは、やっぱりデヴィッド・バーンという人の存在に因るところが大きいと思う。ハイテンションなんだけど開放的ではない、どこか鬱屈してるボーカルとか、ダンスともよろめきともつかない奇妙で不審な挙動とか、総じてなんだか危なっかしい感じ。そういう不安定さを、「俺は俺だ」的なストイシズムじゃなくて、ちゃんとパフォーマンスに落とし込んでるのがいい。この映画、自分の周囲では、ある種インテリっぽいコンセプチュアルなライブ映像として受け止めてる人が多いように感じるけど、個人的には、ただ単純にデヴィッド・バーンのオモロ危うい立ち居振る舞いを観察するための映画なんじゃないかと思う。

あと、YouTubeと言えば、元・くるりの(短期間)ドラマー、クリストファー・マグワイアライブ映像も発見した。その後の動向が心配だったので、こうして健在ぶりを確認できて何やらうれしい。ていうか、マグワイアには俺に心配される筋合いも関わり合いも全くないでしょうけど。もっくんは今頃どうしてるのだろう。