うろつきスナッパー

katakanize2009-10-02

26日、上野〜谷中〜日暮里と散策がてら、舎人ライナーで川を越え、西新井大師に詣でて、ついでに北千住に立ち寄ってみる、てな感じで行楽。カメラ片手に。

いつぞやの撮影でも来たことのある、『みかどパン店』を収めてみる。いつ見てもフォトジェニックな店構え。ここのお店を取り巻く時間の流れはいつもゆるやか。末永くご健勝でいて欲しいものです。

舎人ライナー車窓越しの荒川の水面。なかなかの疾走感だったんだけど、写真見るといまいち感じが出てない。直前の隅田川のほうが画的にツボったんだけど、デジカメ探してる間に撮り逃して悔しい思い。

西新井大師西駅から大師までの散歩中、遭遇したデブ猫。すべての挙動が、超高速カメラの撮影映像のごとく鈍重。だがそれがかわいい。近くで犬がさかんに吠え立てていたのだけれど、眠そうな表情のまま、そちらに首をもたげることすら大儀そう。かわいい。

で、吠え声の発生源がこいつ。猫背かつ妙にピンと伸びた前脚がチャーミングではなかろうか。路地裏の動物たちは実にキャラが立っておることよな。

大師の本堂からの眺め。いつの間にやら秋の空気という感じ。夕暮れどきの日差しの、その色みが柔らかい。

大師前から程近い環七沿いの洋食屋で注文した、金1000円也のフライ盛り合わせ定食。ボリュームもなかなかだけど、とにかく旨い。なんとなく入った店で当たりを引くと、ことのほか嬉しい。場所の詳細は敢えて秘す。大師前・環七・洋食屋というキーワードで、だいたい見当はつくかと思います。

大師前から北千住に行くには、西新井乗換で東武線で向かうのが一番便利なんだけど、なんとなく気分で、路線バスで行ってみることに。バスは環七を右に折れて西新井駅前へ、ロータリーで折り返して環七を横断、荒川を渡って北千住駅へと向かう。西新井駅の近くには、アリオやらいう複合商業施設のようなものが出来ていた。この種の建物を見ると、なぜだか妙に物悲しいような気分にとらわれる。賑わっていようと、閑散としていようと。ららぽーととかレイクタウンとかも同様。なんか不毛な風景って感じがしちまうのよなー。多摩センターの駅前からパルテノンへ続く道、あの感じに似てる。


北千住に着いた頃にはすっかり日も暮れて、夕飯時といった頃合い。かつて、祖父の経営していた理髪店の、その跡地を訪ねて千住の路地を歩く。子供の頃、通いで店の手伝いに来ていた父に連れられて、何度となく遊びにきた街。記憶を頼りに道をゆくと、果たしてほとんど当時のままの姿で、その建物は未だそこに存在していたのだった。看板やサインポールのたぐいは言わずもがな取っ払われてしまっているけど、往時のおもかげを今も確かにとどめている。客のいない時間、店の隅のソファに寝そべって、漫画を読むのが好きだった。広々としたものではなかったけど、不思議と居心地のいい空間だったと思う。僕は視界の開けすぎた場所よりは、適度に狭い場所のほうが落ち着く性分なのだけれど、もしかするとそれは、当時の記憶や体験にどこかでつながっているからなのかもしれない。


駅へと戻る道すがら見つけた、ナイスな面立ちの居酒屋。カエル見て帰る。