abstraction expression

katakanize2009-04-08

4日、新宿・Live Freakでかげわたりライブ。

いつになく、ガッとコンセントレーションを高めて、かつすごく自然体で臨めたライブだった。なんていうか、1週間前の練習あたりから、本番が楽しみでしょうがなかったというか。演劇やってたとき含めて、そんな心境になったのって初めてのことだと思う。アンサンブルの力ってあるんだよねえ。メンバー5人の間に流れる空気それ自体が、なんとも言えず心地良かったというか。課題がまったく無いではないけど、素直に後味の良い演奏だった。的確な言い方かどうかわからないけど、非常にプリミティブな気持ちで取り掛かれたライブだったわけです。


6日、仕事が比較的早めにハケたので、九段の千鳥が淵に夜桜を見に行く。

咲き具合もほとんど満開だったこともあり、結構な人出のお堀端。緩慢とした人の流れに従って歩く。ロケーションの所為ってのもあるんだけど、自宅の近隣や通勤経路、職場の近くで見る桜に比べて、ああした場所で見る桜っていうのは一種独特な雰囲気を感じる。幽玄とでもいうのか。ベタに安吾とか梶井基次郎とか思い出してしまったりする。湿潤な感じというか、そこはかとない妖しさみたいなものがあるのです。

自分が今、従事している仕事というのは、視覚的な「美しさ」について考えることを(それが全てじゃないんだけど)求められもする職種で、常日頃のインプットが肝要だと最近とみに感じるのだけれど、絵画・グラフィック・建築等々の作品として完成された物だけじゃなく、ていうかむしろ、こういう自然の造形物にこそ、さまざまに応用できるヒントが隠されてるんじゃないかと感じたりする。むろんそこにも人為が少なからず働いてはいるんだけど、ランドスケープの美しさっていうのは、形而上的に訴えかける力を備えてるように思う。

観念を形而下に引き寄せる行為と、その成果が表現ってものなんだろうなーと考えます。言葉ですぐにカタがつくことって、正しくもあり、正しくもない。そんな風に思う。